計画と実行71
MLSロゴ「レプリカ」1600cc仕様
“好きな事”だから・・「価値基準」は、まわりに左/右されず、自分の意志で、決める
「季節外れ・・」の寒冷前線が、日本海からしだいに南下。夜半過ぎから降り始めた「雨」は、「自信たっぷり・・」な気象予報士の、「もう・・ひとつ・・」っと言っていい腕のスタイリストに仕込まれた今風の衣装と、何時もの笑顔で告知している。しかし、天気は天気図とは予想外の動きを示し、今朝になっても上がる気配は全くなく、「長期戦」の模様を示す・・。世間で歓迎出来ない天候も、私達にとってはむしろ「好都合」。季節変化や自然の条件を見方に付けて心から楽しむ。気を抜く・・「事」は決して出来ない。何時もの「踏み加減」以上に爪先を踏み込めば、予測どうり前輪は、“ズルッ”っと、路面コンディションに従い・・「持っていかれる」。断っておくが、制御/不能、などと言っているのでは無い。飼いならされた「愛犬」が、一瞬、指示違反をしかけるが、次のアクションでは「立ち直る」。絶妙な、人車一体の「駆け引き」だ。
この素材が実に「イ、イ、」。快音で「工房」に帰り着く。
残念な「事」がある。4WDや複雑/電子制御、更に、総可変弁機構など、世界のライバルメーカーに勝ち抜く“お節介”な最先端「装備」も、時には実に「迷惑」。進化を嫌うのではなく、操るドライバーの脈拍や、血液の流れ、そして、神経の伝達具合にリ、ズ、ミ、カ、ル、に「寄り添った・・」操作/運動感を「望む」。デジタル制御の人類には理解不能か。「素材」選びは難解で困難だ。頭に浮かぶ高性能車は、その時代をリードする「数値」と、先端「技法」でしかない。物知り仲間の知識や専門誌をいくら紐解いても探す場所が違う。それは料理同様、あ・る・べ・き・組み合わせと、よ・く・あ・る・調理方法が、実際求める味とは程遠い結果も生む。私達は日常毎の「臨場感」ある運転操作“感”を追い求める
既に10万キロを後にしたパワーユニットは「降りた」。
紹介しておくと、オーナー・ドライバーは「リピーター」だ。特に私達は、意識して「隠れん坊」などしているわけではない。そもそも派手な広告や、専門誌での取材対応を積極的にしない事から、世間からの“発見!”が何時も「遅れる」。しかし必ず!「作業/製作」したオーナー・ドライバーから、もっと早く存在を判って「いたら・・」。と、口を揃えて悔しがられる。“それは”、最初から実に計画的?に「企んで」いた。偶然GA3ロゴに乗っているのでは無い。メーカー側の生産プラン。即ち、何時モデル・チェンジにはいるか、そして、現在生産中のモデルの最終生産時期を見極め発注をかけた。末期モデルの新車。それも5M/Tマニュアルで、軽量スタンダード・グレードだ。ここに「永年/愛用」計画、前提が見て取れる。
「特製」サス・システム/吸排気トータルリファイン済み
上は納車/直後のフォトだ。高機能サス・システムに吸/排気系、少し後には、シリンダヘッド回りにライト・チューニングを施した。
900kg。これが納車時の車両重量だ。軽量パーツなど、何も「置換」していない。だからボンネットも、ドアーも、全部スチールそのまま。それどころか、エアコンやオーディオだって普通にチャンと「搭載」済み。エンジンは1.3リッターSOHC/吸気×1排気×1で、実にオーソドックスなシングルバルブ。ブレーキだってフロント・ディスク/リア・ドラムの構成だ。もう説明「不要」だろう。そう、素材としては悪く無い。いや、「最適」と言っていい。おまけに、オーナー・ドライバーが、もうひとつ「喜んだ」のは、世間のほとんどの人たちが、GA3には無関心だった事だ。まるでクラスで一番「気立て」の良い素敵な彼女に、デートを誘うライバルがないのと同じだ。上辺の外見だけに惑わされ「内面」が見えてないのだろうか。
3万キロ時点で潜在/性能「向上」対策ライトチューン
私達モーターライフシステムズはシンプル・チューニングが基本。素材自身の潜在/性能を不要なロスを取り除き、発揮させる。
今に始まった事でない。モーターライフシステムズでは、その昔から正に、オーナー・ドライバー自身が監督で、プロデューサー。だから、そこには「こ、う、で、な、く、て、は、」の、チューニング方程式などは全く存在しない。対象車がホンダであれば、車種決定から、その車両への改善/対策プランまで、それぞれのオーナー自身がもつ、夢の実行「計画」だ。結果、「リピーター」が圧倒的に多くなる理由のひとつは、そんな自由自在の計画プランが「普通」の「日常」として実行出来る事にもある。まるで固定観念の様に、クルマの「チューニング」と言えば暴走仕様や、サーキット・アタック仕様。そう決め付ける視野の狭さに原因もある。私達が目指す「チューニング」はひとつ。愛車の眠れる潜在性能を引き出す。
未使用者は「高価」と言う特製サス・KITも装備済み。
私達は、営業重視のチューニングキット・メーカーとは異なり、自分達が装着/使用したい製品を気にせず「自由自在」に作る。
このクルマに限った事では無く、私達は不要な重装備を嫌う!。街のチューニングショップや、キットパーツメーカーは、理由を付けて数多くのチューニングアイテムを市場に送り出す。決まってそこには、多くのレース参戦経験から得た貴重なデーターがフィードバックされて。などと言うセールスコピーも「ら・し・く」添えられて。昭和の時代から同じ手法だった。GA3サスKITのMLS仕様。世間では、この小さくチープなロゴを、私達流、快適に「振り回す」目的で製作した。だから、販売戦略や価格、そして同業他社の類似製品がいくら?くらいなのか。全く今も知らない。これはロゴ用製品だけに限った事でなく、他の車種でも同様だ。世間でどんなホンダ車のパーツやチューニングが人気なのか全く興味が無い。
専用キャプトンマフラーを、追加工「リセッティング」。
当初からモーターサイクル手法のキャプトンマフラーをMLSロゴ専用エグゾースト・システムとして積極的に採用している。
『パーソナル・チューニング』。100人100様のオーナー・ドライバーと、それぞれ所有の様々コンディション異なる愛用HONDA。1台、1台、の目的と方向性に製作するにはチューニングメーカーや腕自慢なショップが送り出す完成KITパーツは実に無力だ。だから前例の有無や、コストにも目をつむり、目指す目標を熱き依頼者のオーナー・ドライバーと進む。断っておくが、贅沢をしよう。などど推奨しているのでは無い。それぞれに有効手段をオーナー・ドライバー各自と「探求」しているのだ。趣味性だけを「重視」しても、実用性「無視」ではその愛車を永年愛用は困難だ。また、改善対策を実施する周辺環境も改良整備していなければ、部分改善でバランスが保てず役立たない。「ま/つ/わ/る」箇所が重要だ。
1600ccのエンジンだ。勿論、DOHCなど選ばない。
「人寄せ」改造モンスターマシンなど目指して無い!。10万キロを後にしたライトチューンエンジンに永年活用の「改良」を施す。
初期モデルの販売カタログが手元にある。そのクルマがデビューする場合、根源はそこにある。表紙には、LOGOのかんがえ。とタイトルされる。「考え」でなく、「かんがえ」だ。「解る?」だろうか・・。ページをめくろう・・。あ、にんげんナチュラルなんだ。そして次のページへ続く・・。“うんてん”を、にんげんにもっと自然な、もっと楽しいことにしょう。ひとの感覚や毎日の生活や地球のこれからに「ちょうどいい」性能を、どこまで進化できるかやってみよう。これが、ロゴのまん中にある考えでした。ふだんの走り方にこだわった[ハーフスロットル高性能]も、ちょうどいい大きさと気持ちいいスペースを両立させた[キュービック・パッケージ]も。そして、[クラストップ水準の安全性]も、めったに使うことのない最高なんとか
駆動伝達系にも書類申請に必要な補強が施される。
作業を効率化するのに車検期日を睨み改造申請を行った。必要箇所にはトルクフルな動力への対策が惜しみなくなされる。
性能より、いつもつかう性能に技術をそそぎこんだから、できたこと。そう、“新しい時代のパッセンジャーカー”ロゴの性能は、みんなが毎日実感できる高性能。きっと、とってもナチュラルに運転をたのしむ毎日、はじまります。・・と、ある。私達モーターライフシステムズがロゴだけに限らず、何時も目指すのはコレ!。『めったに使うことのない最高なんとか性能より、・・・みんなが毎日実感できる高性能』。そう言う事だ。もう、ここから下手な長い解説は不要だろう。少なからず過去に、クルマを「不必要」改造した経験がある勘の良いオーナー・ドライバーなら。だから、チューニング雑誌の最新記事や、自称、先頭を走るチューニングショップが提案する最新プログラムは数年もすれば懐かしい「誤解手法」となる。
1300ccから1600ccへ鞍替え、合法的にも対策済。
1600ccで発生する異なるトルクへは、駆動、伝達、各部位でも余裕を持って強度対策は抜かり無く入念に施術されている。
あっ!、彼を紹介しておく・・。オーナー・ドライバーの職業はプロのドライバーだ。しかしだからと言って勘違いされては困る!。よくある、各地の公認サーキットを同じ方向だけに、グル、グル、グル、グル、懲りもせず回り続け、結果、一等だったとか、二等だったとか一喜一憂する、燃料を浪費する競争「運転手」などとはまるっきり異なる。そう、社会に役立つ他人を「運ぶ」2種免許が必要な“それ”なのだ。おまけに困った事には、彼の自家用車では、今日までステアリングのセンターポジションには「H」マーク以外の印(シルシ)は未だ見たことが無い程の見事な徹底ぶりの(H)党員だ?。仕事ではない普段の日常ドライブに、その「クライマックス」はある。メッキリ交通量が無くなった高速道。予定外で思い
燃料のコントロールや制御にも、最小限の対策は行っている。それは日常性を犠牲にしないどころか、メンテナンス・フリーだ。
立って出掛けたアップダウンを繰り返す県境の曲がりくねった自動車道。そして、気の合った知人を交代ドライバーに、片道数百キロを遥かに超える道程を、地図を頼りに(ナビでなく・・)初めて尋ねる遠くのミュージアム訪問。使いこなした愛用のシートを通して、細やかにメッセージする路面コンデション。“しなやか”ながら「好みの味」にキリッ!と、締め上げた独自の足回りから伝達される無数の情報を、自身、理想とするステアリング・ポジションで自在に「キャッチ」。そして即座に判断を下すのだ。その場面で、必要とあらば、少しスロットルを床に押し込むと、信じられない程の「持ってゆかれ・・感」が背中をグッ〜ゥ、グッ〜ゥ、グッ〜ゥと、やって来る。まだこのエンジンにはスペシャルな施術は施されて無
複数個の「プロトタイプ」スロットルが用意され、TEST
私達の製作工程は、場合によっては面倒な事の繰り返しだ。「最適環境」を導き出す為、実走フィールに何度も「聞く!」。
い。適切なパワーユニットと、有効なマウント手段。そして、その持てる潜在性能を無駄なく、確実で、スムーズに引き出す。「吸/排気」トータルリファイン・チューニングをバランス良く施した範囲なのだ。もっとも、スロットルでも私達は前もって準備した環境設定の異なる「試作/確認」用スロットルを根気良く組替えては実走に出る・・。カンタンな「近道」には興味はない。そも、そも、私達もオーナー・ドライバーも、出来うる限りのシンプル・チューニングが目標だった。いや、もっと正確に言うと、今も何ひとつ変わっていない。よほどの間違いがあっても、このクルマに世間の、そしてチューニング対象車両としての眩いばかりの煌くスポットライトがピンポイントであたる事は実に・・「稀」。そんな“ソレ”を素材に「吸/排気」
1600ccエンジン搭載の新スペックで、実走TESTから戻る。
気になる箇所はないか・・?。細密に確認作業に入る。順調すぎるのが、苦労への褒美なのか問題はゼロ。うん、トルクフルだ。
トータル・リファインチューニングだけを入念に施した当初の頃、その出来に思わず顔を見合わせた。そして更に大きく深呼吸し、息を飲み込んだのだ。ひとつ判り易く言えば実に「音がイイ・・」。そう、センター出し、デュアル・キャプトン・マフラーと、練りに、練り上げたチューニング・スロットルが予測外の「結果」と「サウンド」を齎したのだ。これだから全く油断がならない。何がって・・?。チューニング専門誌が平気で「跨・い・で・通・る」非スポーツモデルも、絶対見逃す事は出来ないと言う事!。いや、むしろ、そんなクルマにこそ「成長」素材は密かに発見を待ち、静かに「隠れて?」いるのだ。
再び実走から帰った。1600ccOHCユニットがバランス良い
迫り来る公道での条件は過酷だ。冬のコールド・スタートから猛暑のエアコン酷使。低速でのストップ&ゴーの繰り返し。
2000ccオーバーのDOHCエンジンや、ましてV−TEC機構が複雑に介入するパワーユニットは確実に重量増を招く。間違っても私達は、売らんが為のコンプリート・カーや、オリジナル製品紹介に数多にパーツを組み込んだ、デモンストレーション用の人寄せ号を製作している訳では無い。日常、手頃な素材車両を複雑怪奇な無理改造なしに、対象となるオーナー・ドライバーがプランするオリジナル・フィールの軽量コンパクトな移動道具に仕立て上げているのだ。だからプロデューサーの好みは随所に散りばめる。フロントノーズを軽く。加給機は使わず。燃費を落とさず。神経質なメンテナンスは不要で。エンジンフードをオープンしてもエンジン「機種」は見破られず。ノーマル然で。すべて合法手段。キリがない。
「イタリアン・スタイル」は彼が好みのドライヴィング→
・・→ポーズだ。ベースは5MTで、スタンダード。だから回転計が無い。そこでスピードメーターのセンター部にレイアウトした。
日頃の「行ない?・・」は実に大切だ!。市内中心にあるモーターライフシステムズのサンプルルーム&オフィスから完成したホンダに乗り込む。先ほど、保管ガレージから前に持って来てあったのだが、乗り込めない。どうして?・・。風雨がひどいのだ。もう、・・だから・・『行い?・・』だけは真面目に・・。っとオーナー・ドライバーに説教。瞬間!・・新しいパワーユニットと、それに伴なう各部位への対策で「す・べ・て」が生まれ変わったNew!1600ROGOに久々緊張の対面。私達が“景気付け”に投げかけた冗談に急に笑顔が戻り、リラックス。柔らかく微笑んだ。さぁ〜、いこうっ〜。雨が弱まった少しのタイミングを見て、ホンダに滑り込んだ。オーナー・ドラーバーが完成車をドライヴするのは今日だが、もう、それまでに私達は工房で完成後、随分公道実走を繰り返した。それは、自分達自身もこんな仕上がりになれば良いのに
ウェット路面。プロのドライヴィングは慎重で丁寧だ。
今、非常に「キ・ツ・イ」タイトコーナーをクイックにターン。大きい通りに出た。ステアリングを切ったままだと“持っていかれる”
なぁ〜。っとの願いからだ。今に始った事でない。その昔から私達の思いは実にシンプルだ。だからオーナー・ドライバーの目指す方向がキャッチ出来れば、徹底的にその目標を目指し、開発と実走TEST。そして、その出来栄えをみて、確認と「改善/改良」を時間の許す限り、何度も何度も、飽く事無く繰り返し続けるのだ。それは自分達のホンダが、オーナー・ドライバーの願うフィールで「・・こんな風であれば・・」っと、いつも自分達のHONDAに置き換えて日夜走らせ、その目的を適える。そして今日は、オーナー・ドライバーの手では久々のエンジン始動だ。先程からまた雨足が強まってきた。そう、彼は特に用心深く、更にメカにも深く精通しているので、セルを回す時は必ずクラッチペダルを先ずスパッと踏
「慎重」にスロットルを開けながら、直進/加速を試す
やがて・・身体も、クルマも、「ほ・ぐ・れ・て」きた。右足に指令を出す。そのバックには都会の景色が美しく流れ去ってゆく・・。
み込む。彼にとっては当然な何時もの儀式に過ぎない。そんな行為から得られるその「効果/効能」はもう充分メカに詳しいホンダ「趣味生活」を送る諸兄達にはまるで『釈迦に説法?』なので、一々解説するのはここではやめておく事にする。私達、モーターライフシステムズは、アスリート系?HONDAのタイプ「R」や、DOHCにVTEC系の高性能スポーツ系モデルだけに限定する事なく、V型エンジン搭載モデルや、SUV、ミニバン、ワゴン、商業モデルまで、「とにかく!」HONDAが大好きな貴方の計画と実行を応援。更に、「タイミング?の問題から・・」あの時購入出来なかったあのHONDAをわざわざ“今さら”ながら手に入れ、「リフレッシュ/リファイン」。タイム・スリップ「現役/活用」にもずっと徹底協力。
強まる雨足。シルエットを蜃気楼の如く路面に写す。
1600ロゴ専用に製作したサス・システムは、歓迎出来ぬこんなコンディションでも秀絶。OHCから美しいサウンドが漏れる。
1966年10月26日。第13回東京モーターショーは晴海の国際貿易センターを舞台に開幕した。そこにホンダ技研初の量産乗用車が展示された。車名はホンダN360。そのネーミングのユニークさに私達は驚いた。当時の国産車は“車名”(カローラーやサニー)が普通だった。それをアルファベットと数字だけの乱暴にも思える『記号』だけの表示は無愛想と言うより、むしろ「キャッチー」にも感じたのだった。当時「軽」の常識を破るマキシマムスピード115Km/hだったり、「前輪駆動」方式(不思議な事に60年以降の小型車はほとんどがそうなっていった)は、現在のようにアチ・コチに同類な類似品のない未知の「魅力」に満ち溢れており、その話題のクルマの価格も判らぬまま、きっとオーナー・ドライバー
写真を頂いた。それも丁寧にアルバムに入れて・・。
サーキットを走るのも悪くはないが、日常使いの一般道で「威力」を発揮したい・・。非日常より、日常!。これは彼の思想。
になろう・・。と、強く決心した程だった。何時の時代もHONDAを本当に「成長」させてきたのは、突出した性能だけや斬新な最先端のボディー・デザインと空力を誇る「スーパスポーツモデル」では無く、日常、街で頻繁に見かけるまるで平凡とも思える“そんな”HONDA達だ。勿論、突出した『才能』を誇る、同時代のSシリーズはスポーツカー愛好家の間では現在でも夢や幻ではなく立派な「現役」。しかし、台数を世界に売る必要性がある自動車メーカーでは、皆に役立つ「メカ道具」でなければ生き残れない。I・U・Vとシリーズを重ねた空冷エンジンを誇り続けたN360シリーズは、1971年5月ショッキングにも、水冷エンジンと共に“車名”付きライフとなって姿を現す。おまけに新製品を発表するたびにその
「特設」会場でのデモラン。これが彼の今回の目的。
前にも紹介したが、数百キロ離れたミュージアムでも飛んで行く彼。コレもサーキット・ランでなく特設会場を選ぶのは彼ゆえ。
クラスの性能水準を吊り上げ続けたホンダにとってライフは初の水準を下回る性能のNewモデルだった。更なる高性能?を息を呑んで待っていた私達にはそれは予測しない「驚き」でもあった。(それまで間、スポーティーなZがNVのフロアーユニットに載って軽の世界を変えていた)現在同様、環境順応の姿勢を一貫したそれも、ホンダの例にもれず、時流に先んじた先進機能が随所に盛り込まれ、単なる高性能化とは異なる、本格的自動車エンジンと、「こ・れ・か・ら」を試すレイアウトに変身/成長していた。以降、1972年初代シビックが登場。現在振り返っても、NやZそして高性能化に背を向けながらも、中・低速トルクを増強、N360より「進化」したコンパクトエンジンはシビックに続く為の「歴史だった」。
表参道通りにパーク。ヒルズに野暮用だったと聞いた。
「普通」のモノでは到底満足しないオーナー・ドライバーの彼。・・参道から続いて青山のHONDA総本山に向かった。
彼は「小さなクルマ」が好きだ!。それも適度の最適サイズ、それが「全て」だ。N360ストーリーを引っ張り出すまでもなく、実用「先進」技術は最も困難を極める。ややもすれば高性能ミドシップ・ツーシーターや、オープンFR2シーターに心も動くが、日常、街で目にするコンパクト大衆車こそ全ての「総力を結集」したその時代ならではの「タイム・カプセル」だったのだ。クルマのチューニングは街のカーショップや専門店が創るものではない。ましてや“ツルシ”のデスカウントパーツの「ポン付け」仕上げでは話も進まない。キットなど端から存在しないマイナー素材のベーシックモデルを、焦らず時間と手間を掛け、毎日、実用活用出来る「・・ならでは」の仕様へ仕立てる手法に「スピリット」と「カルチャー」を見た。
計画と実行72
スモール・スーパー・ムーバー[ホンダZ]誕生!。
そんな、当時のキャッチフレーズはまだ貴殿の「記憶」にあるだろうか・・。エッ!、そんな車種?があったのも「忘れかけ」ていた・・。現在でも、Z愛用のオーナー・ドライバー達は「珍しい」クルマですねェ〜・・。や、「イタリア」車ですかっぁ〜・・。など、そんな質問をされる事さえ特別、珍しくないんだよ。っと、聞く!。4駆で、大型/空冷インタークーラー付きTURBO仕様でも車重970だった。これでピッ!っと“閃いた”同胞は程度の良いユーズドカーを「駆け足」で探して欲しい。まだ今なら手遅れではない筈だ。そう、セカンド・カーとしては最適。イヤ、イヤ、ファースト・カーとしても堂々と「個性的」に通用する。HONDAは、これだから、Newモデルにだけ気を取られ「飛び付いて・・ばかり」いられない訳だ。私達
Zはアンダーフロアー、ミドシップエンジンで4WDだ。
がつい夢中になる「気になる・・ヴィンテージ・ホンダ」は、有名?なS800や、N360に代表されるモデルではなく、まだもっと身近に「存在」するソレ。地方の幹線沿いのユーズドカーセンターも、通り際、気をつけておこう・・。営業小屋の脇に、引き取ってきたばかりの「懐かしくなりかけた・・」ホンダが佇んでいるかも知れない。価値あるHONDAを見つけるのはアナタだ。緊張感を持って外に出れば、巡り合わせが悪くなければ、「素敵なホンダ」に出会える。そんな「ミュージアム・コレクション」までゆかないが、新車ではもうとっくに買えないホンダを、私達は以前から『ライト・ヴィンテージ』と呼んでいる。もうひとつ、そんなHONDA達の価値は、中古車相場などではなく、貴方自身の「判断/価値」だ。そう、市場
ロフト、ワークスペース奥、秘蔵のバイク達が点在。
でチヤホヤされる稀少モデルや限定車などでは勿論ない。即ち、思い出ぶりや、片寄った拘りなら尚良し。我がまま放題で、自信たっぷりな「自己基準」と、不屈の「発掘魂」が、他の追従を許さない最大の価値基準だ。そんな素敵な価値あるホンダを手に入れたオーナー・ドライバーの紳士から、礼儀正しい「電話」を受けた。日時や内容を簡単に打ち合わせ受話器を置いた。この時点では全くそうでなかったが、後日「約束」の日、時間どうりZ/TURBOをモーターライフシステムズ前に横付けされ、アッ!っと、閃いた。それは、ある日曜日の午後だった。多分、溯る事、数週間前だろう、私達のサンプルルーム&オフィスがあるOSAKA市内中心のそこで、折りしも、約束どうり今、持ち込まれたばかりのあるホ
ミドシップTUBO「専用」チューニング・スロットル製作
ンダを前に、そのオーナー・ドライバーと作業プランの「作戦会議」をあぁ〜、こぅ〜、楽しんでいる、その真っ最中だった。ふっと、オフィスの窓越しに、向かい側の公園を見下ろすと、実に綺麗に磨き込まれたスプラッシュシルバー・メタリックのPA1がスローダウンし、静かに停止した。後に、その時何気なく記憶していたそのZ/TURBOが今、約束の時間にやって来たので、これには少々驚いた。不覚?にも、その時(事前の偵察行動・・のワケ)の話は聞きそびれてしまった。何せ、オーナー・ドライバーと合流し、ホンダを預かったり、引き渡したりする「日程」と「時間割」は想像以上にタイト!。何時も余裕は持っているつもりでも、その前のオーナーとの話が「脱線」し、気が付けば、時間オーバーで、次の約束の
「吸/排気」トータルファインチューン/横サイレンサー
オーナーの時間に「食い込む」事も珍しくない。だから、推測するに、こうだろう。礼儀正しい「紳士」のPA1オーナー・ドライバーは、几帳面にシュミレーションで試走、約束、日時に寸分遅れないよう、「ペース・ノート?」を作製していたのであろう。その場面を偶然、目撃してしまったと言う事だ。初対面の前に、『人柄』まで拝見させて頂いた事になる。何時もながら、私達を訪ねて来る全国のオーナー・ドライバーの「熱意」と「行動力」には繰り返し「感心!」させられている。そんなZオーナーを勿論、ドアーを開けて出迎えた。笑顔のオーナーは、謎の?事前偵察行動とは裏腹に、気さくな明るいクルマ(輸入車)好きだった。その時教えてもらった車名だけでも、有名「独」車が随分な数だった。しかし、今は「Z」だ。そ
64PS大型空冷インタークーラー付きTURBOに渇。
れが正しい「順序」だ、と言う。言い忘れている。「輸入車」好き、有名「独」車好きだけでなく、それらを「所有」していた。それも、チューナーズ・ブランド仕様でだ。その証拠に、細かな特徴をユーモアを交え、話して頂いた。でも、しかし、で、ある・・。今は、HONDAである。そして、当然、「Z」だった。故郷の良さは、スグには判らない。海外「放浪」の旅の末、そこに見えて来るモノもある。そんな“原点回帰”のOTONAの選択を存分に感じたものだ。打ち合わせを終え、オーナーが私達にクルマを預け、モーターライフ・オフィスを後にした頃、1980年代後半に発行された当時のカタログを、私達が保存する膨大?な「ライブラリー」から探し出して見た。「重い」、最近のカタログとは「全てが・・違う!」。大きさも大判
ミニマムなエンドスペースに高効率サイレンサー製作
で、枚数でも贅沢。ZZ・・TOP ON THE・・Zの見開きページから食い入るように見てしまった。そうだった・・「当時」からやっぱり「進んでたんだ」。・・イケナイ、Zをパーキングからまだ工房まで移動する大切な「初・試走」が残っていたのだ。つい読みかけカタログの続きは後日に回して駐車場で静かに待つZにゆっくり「火を入れる・・」。おおよその事はオーナー・ドライバーから説明をもらっている。いくら取り扱うクルマが「ホンダだけ」、っと言っても、持ち主からの情報は重要で大切だ。専門医が患者から症状をきめ細かく聞き取るのと同様、オーナーは所有車両の最大の理解者であり、育て主でもある。特に、初めて出会うオーナーから伝言されたポイントは何時も、より注意深く確実に忘れず書き留めてあ
パーキングから引きずり出し、工房までテストドライブ
る。それらを慎重に振り返り、夜の街へ静かにステアリングを向ける。地下パーキングはもう人気も無く、警備ブースに係員の人影が見えるだけだ。昼間にオーナー・ドライバー立会いで、預かるホンダは一通り見回してある。それも楽しいひと時である。今、ドアーを開け、コクピットにつく、いつ預かるどのホンダも、綺麗に整頓されていて、感心する。書きとめたメモを取り出し、確認事項を頭に入れ、地上へ上がるスロープをゆっくり登り始める。このスロープは中々のスグレモノで、トランス・ミッションの具合や、エンジンの細やかな症状は、登りつめるまでに、大雑把ではあるが私達に「情報提供」してくれる。理由は勾配が「生殺し的」に設定されており、負荷具合が、思わず「役立つ」訳だ。過去例で随分役立っ
リア正面裏からスリムで長いサイレンサーが見える。
ている。高速コースをTESTドライヴするのも大切だが、実際の「実用」場面では、こう言った場面も見逃せないフィール。地味な事だが、見逃がせない。さぁ、もうこんな時間だ、工房へ急ごう・・。目前に立ちはだかる信号待ちも、私達には貴重な「診断時間」だ。様々な「様子」をクルマはドライバーにメッセージしてくれるからだ。一般道をしばらく走り、高速に登る事にした。時間に余裕があると、少しばかり遠回りする事もある。高速道での症状を「指差し確認!」したいからだ。難しいのは、オーナー・ドライバーが指摘する「現象」が私達の手で「再現」困難な場合が少なくないからだ。ソレを、私達の目や、手、そしてフィールで確認する為には、手間を惜しまず、自動車専用道や、一般道、市街路に、多くの時間を割
「永年愛用」を目指せば、必要!「補強」は絶対当然
いて、試走を繰り返す苦労もある。だから全てに「余裕」を持ってクルマを持ち込んで欲しい。キチ、キチ、した枠では何事も上手く行かない、それは「予算」も、「日程」も、「協力」心も。不思議に「Z」を実走TESTしていると、珍しい出来事になる。ある時は、隣に並んだドライバーから、イタリア製?なの・・。っと、ニコヤカニ話し掛けられた。自動車道の料金所では、係員に、珍しいねぇ〜、何処のクルマなのぉ〜。っと、見知らぬ人々ととのコミニュケーションが広がる。これはこの「Z」だけに限らず、他のオーナー・ドライバー達から預かった「Z」もほぼ、大同小異だった。「Z」に愛着を持ち乗り続けるオーナー達の理由にコレは欠かせぬ「風景」だろう。預かったHONDAをその日のうちに、相当量、一機に走りこむの
今、実走TESTから戻った。エグゾースト系を冷やす。
は、私達にはもう普通の「儀式」だ。それも、気象条件など全く気にせず、ガン、ガン、イク!。クルマって、本来そう言う「道具」だからね。高性能チューナーのブランド輸入車を乗り継ぎ、「原点回帰」で、「Z」にたどり着いたオーナー・ドライバー。まるで安心、寛ぎの我が家に戻った心境だろう。だが、しかし、やっと見つけたホンダでも、普通の量産車に理由ある「手直し・・」を施し、日常使用するのは、その辺の“街道沿い・・”にあるチューニング屋で本来不要な「改造行為」を「無意味に」するのとは全く「別」。幾つかの思い当たる「対策」ポイントを相談する。言わずもがな・・、万人向き仕様で設計され、制限されたコストでは、充分どころか、一番優先したい部位は、「吸/排気」対策だ。間違ってもらっては困るの
4WDのトラクションを無駄なく「確実/伝達」する補強
は、ここで、スポーツ「サウンド♪」をブイ、ブイ、鳴らせ、カッ飛ぼう〜と、言うのではない。イヤ、むしろ「逆」。フリクションの小さいセラミック・ボールベアリングを採用したターボチャージャーと、充填効率を高める大型空冷インタークーラーを搭載。ハイパー12バルブエンジンを低速から実に自然に力強い加速で走らせる64PS/TURBOを影ながら徹底サポートするプランだ。念の為、今紹介した仕様は全部HONDA純正だ。純正だ、っと言うより、このスペックで販売されていた。そんな事を言うと叱られるだろが、ホンダが「元気」だった時代だ。創業者もまだ“睨みを”効かせていたし・・。豪華キャスト総出演とも言える標準装備のPA1「Z」。勿論!、私たちは「持ち味を・・潰さない」吸/排気チューニングを目指した。
3つ上の/フォトと反対側、目立たないが強度/補強。
即ち、持ち合わせる「性能」以上を引き出したりや、子供じみた「聞かせる」サウンド♪で紛らわそうとはしないと言う事。純正装備はまだある。横方向の剛性が高く、コーナリング時や、高速走行時でも優れた走行安定性を発揮。キビ、キビ、俊敏な走りとしなやかな乗り味を実現する。5リンク・リジッド・リアサスペンションと、当時、ESPと呼ばれた、モーターの力でステアリングアシストするシステム。「Z」のESPは、素早く正確にモーターの駆動力を最適化するダイレクトなコンピューター制御によりなめらかで応答性の高い操作感を実現していた。しかも全車速域で制御を行い、低速時の軽快感と高速時の安定感ある手ごたえを両立、そのうえパワーロスも少なく、当時から低燃費にも寄与していた。そう、
「スムーズ」なレイアウトで中間部からサイレンサーへ
「アッパレ」である。「吸/排気」トータル・リファインチューニングも、コンパクトな「K」。それも4WD仕様となれば、床裏は煩雑。更に、事もあろうか、ミドシップ搭載だから始末に悪い。高効率なパイプレイアウトを探るが、何処も、ココも、逃げるクリアランスが無い。TURBOで加給された高温な排気を余裕を持って受け止める大容量サイレンサーを採用した。スペースが殆ど確保出来ない事から、「特製」スリムな形状で試作から始める事にした。その頃、チューニング・スロットルもTEST用が「複数個」完成。実走出来る状態が生まれ、テストが進む。私達が行なう「吸/排気」トータル・リファインチューニングでは、特別な場合を除き、愛着を持って永年愛用するオーナー・ドライバーが少なく無い事から、将来、エンジ
「無骨」な純正に比べ、カッター部を「別製作」する事に
ン本体をオーバー・ホールしたり、仕様が変更された場合でも、製作したエグゾースト・システムがそのまま、又は、小改良で、継続使用出来る様、そのホンダの「今後・・」も計画に織り込んだプランでの実行を勧めている。性能には「無関係」。しかし、カッター部の出口はもう「ひと手間・・」かける事にした。完成品では別段主張はしていないが、この部分を製作するには、幾つかのサンプル製作から仕上げまで、相当数の手順も必要になる。「K」だから・・。と、見くびらない、いや、「K」の中でも「Z」だからと、その本質を理解してオーナー・ドライバーと二人三脚で協力して仕上げに取り組む。そんな世間に「車挌」を無視できる意見の繋がりが、作業日数が手間を克服出来てきている。今も全国にどれだけの
このリアビューなら街で「声を掛けられる」のも解かる
「Z」理解者がいるのだろうか。とりわけ、センスは買えない「差別化」だから始末が悪い!。人気のHONDAの「K」となれば、懐かしくは、「N」や、「Z」、そして空冷「ライフ」。近いところでは、ミドシップ・レイアウトの「ビート」。文句をつける車種は全くないが、この「Z」も入れて頂こう。このオーナー・ドライバー仕様のセンスなら都会でシティー・コミューターとして「オシャレ度」も最適。他方、道路事情が良くない地域では、4WDが威力を発揮してくれるはずだ。他メーカーのミニバンを1台処分して、手頃な「Z」を2台調達。1台は、辛口の「ターマック・スペシャル」、もう1台には、「オフロード仕様」に仕立て上げ、ライフ・スタイル全般を全て「Z」2台(2種)で完結させる。なにも、世間に「影響」されて最新エコ・カー
リフトに上げなくても覗けば強靭な「補強」が見れる。
や、“見かけだけ”の高性能モデルに安易に「羅針盤」を向けるだけでは“能”がない、ナカ、ナカ、「コレモ、イケル!」。そんな話をしていたら、暫く連絡を取ってなかったオーナー・ドライバーから「電話」が入った。「元気?」なの・・。・・って挨拶から、読んでたら「Z」欲しくなってしまったょ・・。の、「相談」に・・。彼のプランは一通り伺ったが、ご存知のとうり、私達モーターライフは中古車の斡旋や、売り買いは一切!「ノータッチ」。クルマの手配は自分で「勝手」にやってよ・・。って・・言っておいた。近い将来、厄介な面倒「物件?」を探して持ち込んで来そうで嫌な「予感」がする、神に「祈ろう」。無理を言って「夜」になった。オーナー・ドライバーの都合も、私達のスケジュールもそれしか時間「調整」が無理だった。
「小さなホンダ」に鞭を入れる「オーナー・ドライバー」。
どんな場合も、一声「相談」だけで、徹底「協力!」を惜しまず/最大限してくれるオーナー・ドライバー達の「紳士」ぶりには日頃の苦労も何時も報われる。モーターライフシステムズのサンプルルーム&オフィスがあるのは交通の便も良い市内「中心」。もう、今は昼間の混雑ぶりからは開放された「美味しい時間」。休日同様、夜もある時間帯からは気持ち良い「都会ならでは」のドライヴが味わえるコースに早変わりする。「良い季節」であれば、高層ビル群の明かりを背景にウインドーから流れ込む「心地良い夜風」を頬に受けながら仕上がったばかりのエグゾースト・システムを“奏でる”ため、右足に少々力を込めるのも「悪く無い」。ご存知のとうり、OSAKA市内には美しい大きな公園が数多くあって、道路事
暖まるエンジン、唸るタービン、地を蹴る4WD、迫る。
情を見極めたうえ、それらの周回道路に繰り出せば、意外にも「クィック」で「ツイスティ−」。まるでヨーロッパにある公園内サーキットを彷彿とさせ、エキゾチックな気分も「満点!」だ。ヨーロピアン・チューナーズカーから愛すべきHONDAへ「軌道修正」を図ったオーナー・ドライバーの決断は間違いではない。大トルクにモノを言わせて振り回すのも悪くはないが、リトル・モンスター「小さな巨人」は、数段上。手巻き時計の様に「細密」に仕上げられたコンパクトなパーツ達はもう「宝石」の如く輝く、誇れる日本の「技術」。小排気量車が、大きなクルマをカモル。それは単なる「走り比べ」だけでなく、製作プラン「手法」でも充分「敵」を倒せる筈。さぁ、貴殿の「Z」コンディションと、今後は、どう「描いて」いるだろうか。
計画と実行73
ずっと「大切に・・」日常の足として“愛用”のそれ・・。
スマートな「紳士?」から連絡があった(多分、そうだと思う・・)。「改造」や「チューニング」などと浮かれる年齢でない。だが、しかし、ホンダは好きだ。・・で、・・だ、自分に「丁度良いサイズ」の愛用HONDAの不満点を少々「改良」したい。「手を貸して」くれないだろうか・・。話し振りや、内容から「紳士?」だろうと思う、そんな感じだった(多分・・)。穏やかな口調で「都合は如何だろうか・・」って事だった。何時も申し上げる様に、私達の『都合』は、私達にも「良く判らない?」。それが「正直!」な答えだ。理由は簡単。幾つもの複数台の車両プランが同時進行「没頭中」で、それが試作やTESTを繰り返し、折角の所に漕ぎ着けていながら・・結果、「3歩進んでは、5歩下がる」事も珍しくない“笑っていられない”そ
実走TESTから戻った。今までのコンデションを確認。
んな出来事も普通の「日常」。「現場」では、経過は見えても、結果は常に努力内容に関らず「成り行き・・」流動的になる。そこで持ち込み計画中のオーナー・ドライバーには、是非!前倒しで「計画中」の予定を「早めに声を掛けておいて・・」っと言う“セリフ”に終始事になる。一番の課題はブレーキ・システムの「機能/向上」。勿論、パッドを替えるや、ソノ手の事はオーナー・ドライバーも充分承知。だが、周辺「まつわる所・・」を総合的に計画性を持って同時進行で実施しなければ効果は発揮!出来ない。だからと言って、街道沿いのカーショップや改造自慢のチューニング屋が推奨?する、レーシングカー風の市販ブレーキ・キットでは「能が無い」。イヤ、もっと正確に言うと、「・・好みで無い!」。・・嫌い。
劣化した不安定なブレーキに「根本的」対策を施す。
そもそも私達は巨大?サイズの大口径ホイールや、極太タイヤ愛好家では無い。一々ここでその理由は述べないが、私達の門を叩く全国のオーナー・ドライバー達も「大同小異」。だから、巨大キャリパーや、大口径穴開きローターなどを装着したならば、手持ちのホイール装着もならず。したがって、意味不明なカスタムの世界は望まない。それどころか、多くのオーナー達は純正ホイール主義者や、標準装着タイヤサイズ死守派など、出来うる限り、純正スペックを維持し、性能/向上を目指す!論者も少なく無い。目立たず、静かに、気付かれず、そして・・さり気なく、高効率に、「純正同等以上」の機能を長期/維持する事が本来の「目的」。事あれば、私達ほどCB5を「絶賛」するのも稀かもしれないが、ソレ
縦置き5気筒エンジンの弱点補強。個体別専用製作
を解かる人達は全国に少なからず居る。しかし、当然、ソノ手のKITなど最初から存在する事など無く、全て「何時もの様に・・」根気良く一から製作する事になる。採寸/試作から始め、最終/採用する非膨張ブレーキ・ライン。専用/配合となる前後「特製」パッド。適正スリット入りF/R「特製」デイスク・ローターのトリプル組み合わせで、実走を繰り返し該当車両に最適性を発揮させる仕様へ「絞込み製作」する。制動時、加速時の剛性/安定性をも向上を狙い、ロング・ノーズ設計のエンジンルーム内にデュアル(2本)タイプ式フロントタワーバーを個体に合わせ「専用」製作した。これは市販されるタワーバー補強などとはまるで違い、ゼロ、ゼロ、精度での高密度/製作の為、他の、同形式車両のCB5にもジャ
新製作リアスリットローター/非膨張ライン/専用パッド
スト・フィトする補償は無い。その分、このクルマには吸い付くようにジャスト・マッチ、強度/具合もずば抜けて突出している。それはブレーキフィールでも同様、強大なストッピング・パワーより、日常での長期/安定/制動を狙って、オーナー・ドライバー以外の家族が不意にドライヴした時でも違和感無く「普通」に操れる「市販モノには存在しない」目指す味付けにしてある。愛用のHONDAも私達人間のカラダ同様、「体幹」維持は最大の重要事項。フラ、フラ、不安定なシャシー性能では全てが「腰砕け」。結果、私達の門を叩いた「紳士」の依頼内容は実に的を得たプランだった。貴方の熱愛ホンダも、不要な性能/向上より、必要な安定/制動と、それを支えるシャシー性能、弱点/対策に目を向けては如何だろう。
計画と実行74
石川県金沢市在住、素敵なオーナー・ドライバーから
「完成車」を地元へ持ち帰った直後、こんな連絡メッセージが入ってあった・・。Tです。先程はどうも。7時過ぎに無事帰宅しました。結局、降ったり止んだりで思いっきり走るには程遠かったのですが、それでも乾いた所やトンネルでは結構、踏んでみました。良く吹けます。各ギアが低くなったというかファイナルが低くなった感じで、高速を6速で走ってても「5速だっけ?」と手を伸ばしてしまいました。途中、米原JCTで検札があるのですが、料金所ダッシュをやったらシビレましたね。早くオープンで走ってみたいのですが、天気が悪く当分お預けになりそうです。ま、楽しみにとっておきます。そんな無駄の無い、短い文章を匠に駆使した読みやすい、まるで目の前に映像が再現されるリアル「帰宅」リポートを私
「改造派×」では無く、「チューニング○」実験向上派。
達が拝見したのは、珍しくもなく、数日も後の午後だった。そもそもの出会いは、礼儀正しく「電話」を頂いた事だった。キッチリ日程を決め、わざわざ足を運んで相談に来阪頂いた。勿論、石川県からだ。その際、このホンダではなく、別所有されるステーシュン・ワゴンでやって来た。それにはこんな理由もあったかも知れない。季節柄、路面コンディションが好ましい事が少なく、まずは慣熟走行といった事だろう。作業日程が決まり、OSAKAを目指す日には計画的で、勝手良く、ドライヴが出来ると言う寸法だ。プランはこう、キッパリ!「吸/排気」トータルリファイン。とりわけ、オープン走行を好むオーナー・ドライバーに、モーター・サイクル感覚で操れるフィールとサウンドがシンプルな作業内容で目指す方向だ。
「特製」カーボン・ケプラーエグゾーストと「吸気」系。
持てる「潜在能力」を無理/無駄なくスムーズに「引き出す」。それだけが「目標」、それだけが「目的」。ご賛同頂けるだろうか。コテ、コテ、小細工/工作を尽くし、強制/改造や、パワーユニット載せ替えなど毛頭、計画に無い。それどころか、出来うる限り「手を出さず」能力/発掘が可能かだ。故に、MLS「吸気」チューニング・スロットルも、該当車両「専用」に個体差、個体差別/特製を実走TESTを重ね、複数個の試作→適合個体「完成」まで集中製作を実施。即ち、右足の感触に忠実に添う「フィール」を目指した。そも、そも、「チューニング」は適正整備での、「調整」や、「調律」がより「洗練」され仕上がっているモノを指すのであって、世間のチューニング専用本が語る、ノーマル純正比「何馬力」UPや、
オープン・エアー「モーターサイクル」フィール重視。
「排気量」増大(自慢?)を競う事では無いのはもう、貴殿もご承知のとうり。それどころか、この手のクルマは「永年愛用」を目指し、そろそろ性能「復活」や、元気「回復」作業も重要だ。将来、まるでディーラーのショールーム・コンディションに純正性能をより「研ぎ澄ました」仕上がりを狙いたい。自動車メーカーでは、生産が終了すると次々部品在庫が底をつく。何時でも欲しい時、欲しいだけ、予算を都合すれば「必要パーツ」が手に入る。そう目論んでいると後で慌てる事になる。もうS2000も必要な「リフレッュ・リファイン」を積極的に施そう。勿論、性能/復帰も織り込んで進めている。レーシング・サーキットより「ナチュラル・コース」を愛するオーナー・ドライバー達、オープン・エアーの実力を心から堪能したい。
計画と実行75